インプラント治療とは

歯を失ってしまった場合、その機能を回復する方法として、入れ歯、ブリッジ、そしてインプラントという選択肢があります。
インプラント治療とは、チタンやジルコニアなどの素材でできた人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込み、その上に土台とかぶせ物でできた人工歯を装着して、失った歯の機能回復をめざす治療法です。
天満コンセプトP歯科では、インプラント治療に精通した院長が、患者様の将来の健康を見据えた治療をご提供しています。
インプラントの機能的なメリット
- 天然歯に近い噛み心地インプラントの最大の特徴は、人工的に歯の根っこを再現することです。これにより、天然の歯に近い力でしっかりと噛むことが期待できます。
噛んだ圧を感じる「歯根膜」という組織はありませんので、天然歯と全く同じ感覚というわけにはいきませんが、入れ歯と比較すると、しっかり噛めるようになることは大きな喜びにつながるでしょう。 - 周囲の歯を守るインプラント治療の重要なメリットは、周囲の健康な歯を守ることができるという点です。
入れ歯やブリッジでは、治療部分の歯を支えるために、隣接する健康な歯を削ったり、金具を掛けたりする必要があります。そのため、支える歯には常に負担がかかり続け、結果的にその歯の寿命も縮めてしまう傾向があります。
実際に、歯を1本失った患者様でブリッジをすると、その支える歯も悪くなってブリッジの範囲が広がり、奥で支える歯がなくなってしまったら入れ歯にする…と、ドミノ倒しのように歯を失っていくケースは少なくありません。 - 「残りの27本を守るため」という考え方これに対してインプラントは、周囲の歯に頼ることなく、その場所単独で治療を行うことができます。
当院では患者様に、「1本の失った歯のためだけにインプラントを入れる、という考え方ではなく、残りの27本を守るためだと思いましょう」とよくお話ししています。
(※親知らずを除いた永久歯の数は28本)
一見すると高価に思えるインプラント治療も、長期的な視点で見れば、お口全体の健康を守るための投資だとお考えいただければと思います。例えば、60万円の費用がかかったとしても、そのインプラントを30年使用できれば、年間の使用料は2万円程度ですみます。長く使っていくものですから一時点での費用感だけで考えるのは得策とは言えません。
インプラント治療の
デメリットとリスク
当院では、メリットだけでなく、デメリットやリスクについてもしっかりとご説明した上で、患者様に治療法を選択していただいています。
インプラントのみを強く推奨することは一切ありませんのでご安心ください。
- 手術が必要で、費用も高額インプラントを埋入するには外科手術が必要です。また、さまざまな施術の工程を重ね、高品質の材料を使用しますので、治療費用はそれなりの額になる自費診療です。
- 感染リスク 全身の中でも細菌が多い口腔内に、人工的な装置を取りつけて長く使うため、どうしても感染リスクが高くなります。
特に問題なのは、天然の歯と異なり、インプラントは血流などの関係から免疫のバリアが弱いという点です。 - 全身状態の影響を受けやすい人生の後半になると免疫機能が低下しますし、他の全身疾患も増えてきます。さらに、メインテナンスを怠ったり、セルフケアが不十分になったりすると、インプラント周囲炎などの問題も起こりやすくなります。
メインテナンスが必須である理由
インプラント治療は「ゴール」ではなく「スタート」
当院が最も重視しているのが、治療後のメインテナンスです。
「しっかり噛めるようにする」というインプラントの素晴らしいゴールは、実はメインテナンスがリスタートする瞬間でもあります。
研究の発展とメインテナンスの重要性
歯槽骨を利用する現在のインプラント治療が始まってから、まだ半世紀ほどしか経っていません。そのため、メインテナンスに関する研究は発展途上の段階にあります。
私が歯科医師になった15年ほど前でも、メインテナンスについてはあまり注目されていませんでしたが、最近ようやく長期的な研究結果が増え、インプラントを長く安全に使うためには徹底したメインテナンスが欠かせないことが、科学的なデータからも示されるようになってきました。
メインテナンスを重視したインプラント
これまでの治療では、骨や人工の歯の位置を重視する考え方が主流でしたが、最近では、それに加えてメインテナンスを重視したインプラントが提唱されています。
当院でも、インプラント治療を開始される方には、メインテナンスプログラムを推奨しています。
「車検」のない車は乗り続けられない
当院に来院される、インプラント治療をすでに受けた患者様の中にも、「継続的にメインテナンスが必要なことは聞いていない」と言われる方がいらっしゃいます。
メインテナンスをしないのは、高い車を買ったのに車検を受けず乗り続けるようなものです。いかに長く安定した状態で機能させるかが大切です。
当院のメインテナンスプログラム

天満コンセプトP歯科では、インプラント治療後のメインテナンスを定期的に行うことで、インプラントやその周囲での異常や劣化をチェックしています。
メインテナンスの内容
- インプラント周囲の清掃
- 炎症や感染の有無のチェック
- レントゲンによる骨の状態の確認
- 噛み合わせの確認、調整
- セルフケアの指導
専門的なケアが必要
インプラントは、天然歯とは異なる特別なメインテナンスが必要です。当院では、日本歯周病学会認定歯科衛生士をはじめとする、専門的な知識と技術を持ったスタッフがメインテナンスを担当いたします。
インプラント治療を受ける
歯科医院の選び方
インプラントは確かに優れた治療法ですが、決して万能ではありません。歯を補う治療は他にもあります。
当院がお勧めする歯科医院の選び方のポイントは、以下の通りです。
- しっかりとした説明があるメリットとデメリットの両方をしっかりと説明し、患者様にとって最適な治療を選べる歯科医院を選びましょう。
- 専門的な研鑽を積んでいる過酷な口腔内環境に長く耐えられるインプラントを施術するためには、それなりの技術とコスト、期間が必要です。どこで受けても同じ治療というわけではありません。
専門的に研鑽を積んでいる歯科医師がいる医院を選びましょう。 - メインテナンスの重要性を
説明してくれる治療が終わった後も継続的なメインテナンスが不可欠であることをしっかりと事前に説明してくれ、実際に専門的なメインテナンスを実施してくれる歯科医院が良いでしょう。
日付: 2025年12月1日 カテゴリ:院長コラム


